クィア・ミュージックの情報アーカイブ


Queer Music Review -Live Review-

とんちピクルス ライブ「やさしい夜」

2011年4月28日 at 中野 カルマ

出演:とんちピクルス

このライブ観覧記は、当サイト運営者が SNS の mixi で Web 日記として公開していたテキストを、大幅に加筆して再録したものです。テキストの性質上、文体も内容も、かなり軽めです。

やさしい夜

会場となったカルマさんには初めてお伺いしたのですが、学生街にあるお洒落なお店と共通の匂いがする、サブカル好きの人にはたまらないであろう雰囲気のカフェでした。個人的には、窓際の棚の上に『ツインピークス』の VHS ソフトが積み上げられていたのがツボでした(笑)。

とんちさんや、ほかのお客さんが召し上がっていらっしゃったメニューがすごく美味しそうだったので、今度は普通にごはんを食べに行こうかなと思ってます。

とんちピクルス1

さて、LGBT のミュージシャンのかたのライブの様子を自分で撮影するようになってからは、被りつきでライブを観ることが増えた藤嶋ですが、この日のライブは、藤嶋史上、最も至近距離からの撮影となりました。

とんちピクルス2

ハイネケンのドリンク・ケースを積み重ねて、それを譜面台がわりにしていた、今回のとんちさん。
コード譜

この写真をご覧になればおわかりのように、今回、最前列にいたオーディエンスは、とんちさんの譜面を見ることができました。

そのせいで、藤嶋の隣にいらっしゃった女性のお客さんは、おそらくは無意識のうちに、譜面をガン見(笑)。

その視線に気がついたとんちさん、オープニングの「この世の崖」の1コーラスめの中途で、いきなりそのお客さんをイジりにかかります(笑)。

「ここ見ないでもらっていいですか?(笑) いや、全然見てもらっていいんですけど、恥ずかしくて(笑)。僕が次に何を歌うか、わかっちゃうでしょ?(笑)」

もちろん、会場は爆笑。

そして演奏再開。ところが、その女性のお客さんは、どうやら非常に生真面目な性格のかたでいらっしゃったらしく、今度は意識的に、コード譜を見るまい、見るまいと、あさっての方角を見ながら、とんちさんの演奏を聴いていらっしゃいました。

そのお姿が、とんちピクルスさん(と隣に座っていた藤嶋)には可笑しくて可笑しくて仕方がなくて、間奏部分になると、とんちさんは演奏を続けながらその女性のお客さんにコソッと一言。

「……見ていいですよ(笑)」

会場、再度爆笑。

やっぱり、とんちピクルスさんの客イジりは絶妙です。


この日のライブは二部構成。一部と二部のあいだには、ウクレレ教室もありました。生徒役は、カルマの女性店員さん。

ウクレレ教室

ここでの課題曲は、上のコード譜の写真にも写っていますが、「エマニエル夫人」

もちろん、弾きやすさに基づいた選曲ではあるんでしょうけれども、「教室」という言葉から連想されるカルチャー・センター的なイメージと、楽曲が帯びている艶かしいイメージとのギャップが、なんともいえないシュールな雰囲気を醸し出していて、店員さんのたどたどしい演奏に合わせて、とんちさんが「愛のうた求めて エマニエ~ル」と歌われるたびに、「いったいここはどこなんだろう」的な、不思議な空間に迷い込んでしまったような感覚が、かなり楽しかったです。


ちなみに、マイクを通さない完全な肉声によるとんちさんのパフォーマンスを観るのは、東日本大震災の発生から2日後の2011年3月13日に、三浦海岸のナツメグカフェを会場に開催された、『Ukulele Mondo Lounge 2』に続いて、私にはこれが2度めだったのですが、完全なアンプラグドであった『Ukulele Mondo Lounge 2』の時とは違って、この日のライブではオケも使用され、おなじみの「ああ結婚」のパフォーマンスも披露されました。

※『Ukulele Mondo Lounge 2』観覧記はこちら。 >> Here

「ああ結婚」の肉声パフォーマンスでは、とんちさんはその場にある手近なものを、その時々で適当に選んで、それをマイクに見立ててパフォーマンスをなさるのですが、この日のカルマのライブでは、水鉄砲をマイクに見立てて熱唱。(なんで水鉄砲が、カフェに置いてあったのかは謎ですが。)

とんちピクルス3


アンコール前の最後の1曲、「どうだいドラえもん」でも、水鉄砲は大活躍!(笑)
とんちピクルス4


そしてアンコールは、円広志さんの「ハートスランプ二人ぼっち」のカバーと、「おでんパーティー」の2曲。

トータルで2時間にも及んだ、シュールな展開がてんこ盛りの、とっても楽しい、とんちピクルスさんのワンマン・ライブでありました。

Text and Photo by Takaki Fujishima



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