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Queer Musicians -Overseas-

ハリス

Harisu

ジャンル:K-Pop

Liar

Harisu

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バイオグラフィー

掲載日:2007年2月6日、最終更新日:2007年2月6日

本名、イ・ギョンウン。1975年2月17日、韓国の城南市(ソンナム市)生まれ。韓国で初めての、トランスジェンダーの歌手/女優/モデルである。

高校卒業後の1997年から、日本の美容専門学校でヘアメイクを学び始め、その傍ら、クラブなどで歌っていた。したがって日本語には堪能。性適合手術も日本でおこなっている。1999年に、クラブで歌っていたところをスカウトされ、2001年にハリス名義で、まずは韓国のドド化粧品のCMモデルとしてデビューした。そして同年9月、アルバム『Temptation』をリリースして、歌手としてもデビューした。

ハリスの登場は、性に保守的な傾向のある韓国の人々に大きな衝撃を与えた。彼女のデビュー曲「Temptation」は、のちの2005年、韓国のケーブルTVチャンネル m.net の番組『生放送 m.net ワイド芸能ニュース』の中で発表された、「韓国音楽界のショッキングなデビュー曲」の8位にも選出されている。

"Temptation"
(2001)

ハリスの楽曲はテクノ・ハウスと R&B が中心。以降もハリスは、順調にリリースを重ねていった。2002年10月にはセカンド・アルバム『Liar』、2004年2月にはサード・アルバム『Foxy Lady』をリリースしている。サード・アルバムのタイトル曲「Foxy Lady」は、ブリトニー・スピアーズの「Me Against The Music」からの強い影響が、楽曲とビデオ・クリップの両方にうかがわれる。

"Foxy Lady"
(2004)

女優業も併行しているハリスは、2004年に香港映画『桃色-Color Blossoms-』に主演。この作品でハリスは、日本の松坂慶子と共演した。この映画のプロモーションのために、ハリスは翌2005年5月に来日。この様子を伝えた K-PLAZA.com の記事によると、ハリスはインタビューの中で、次のように述べている。

「以前はニューハーフを演じるのはとても嫌だったけれど、ヨン・ファン監督と出会って台本を読んで、いち「女優」としてニューハーフ役を演じることができました」

「今まできたドラマや映画の役はニューハーフの役ばかりで嫌でした。なので歌手としての活動が多かったけれど、台湾で女優として活躍して「美しく演技の上手なハリス」という評価を新聞で見たとき、これは好き、これは嫌だと仕事を選ぶのではなくて、女優ならどんな役もこなして、演技を自分のものにしてしまおうと思ったんです。もっと努力して大女優になりたいです」

2005年には、ハリスは台湾でもアルバムをリリースしている。台湾のテレビ番組への出演も積極的にこなした。しかし、台湾のメディアは、トランスジェンダーであるハリスに対して、数々の侮辱的な行為をおこなっている。台湾 CTV のバラエティー番組『ペイガス』では、パネラーとして出演した台湾の主婦たちが、「要らなくなった“アレ”はどうしたのですか」「持ち帰ってラーメンのダシに使ったのでは?」などという俗悪な質問をハリスに浴びせ、その様子がカットされずに放映された。しかしハリスは冷静に、ユーモアを交えて対応したという。[*1] また、同時期に台湾に進出していたロシアの歌手マルガレタは、ハリスを挑発して次のように述べた。「ハリスの胸はニセモノだから、いつか破裂するんじゃないかと心配。それに比べ、私の胸は授乳機能もあるホンモノだから。」これに対してハリスは、「私は、妊娠することができないだけ。他の女性と変わりない」と反論したという。[*2]

こうした台湾での活動の後、ハリスは2006年1月、4枚目のアルバム『Harisu』をリリースして、本国での活動に復帰した。さらに同年7月には、5枚目のアルバム『Summer』を立て続けにリリース。そして8月には、日本のフォーミュラレコーディングスと契約して、本格的に日本に進出することを発表した。2007年度中には日本語によるアルバムをリリースする予定である。

"Reaction"
(2006)


*1 http://www.wowkorea.jp/news/enter/2005/0114/10000889.html
*2 http://www.wowkorea.jp/news/enter/2005/0311/10001270.html

(文中敬称略)



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