クィア・ミュージックの情報アーカイブ

Since: 01/07/2005
Latest Update: 10/22/2019

プライドデーライブ

はじめに

この Queer Music Experience.は、古今東西のクィア・ミュージックに関する情報を記録し、遺していくためのサイトです。

前身となったのは、私(当サイト運営者)が2000(平成12)年7月1日から2006(平成18)年7月11日までのあいだ開設していたゲイ小説サイト『e-G Library』です。

もともとは、私が『小説 JUNE』や『さぶ』などの雑誌に発表した小説を電子書籍化して、ダウンロード販売をするサイトでしたが、サブ・コンテンツとして日記やコラムの類も掲載していました。

それらのサブ・コンテンツの中で、私はゲイ・インディーズの CD やライブの感想なども書いていました。それが、この Queer Music Experience.の開設へとつながっていくことになります。


ゲイ・インディーズとは?

ゲイ・インディーズというのは、おもに2000年代の前半に、日本のゲイ・コミュニティで盛り上がりを見せたムーブメントのひとつです。

2000年の『第1回東京レズビアン&ゲイパレード』の開催にあわせて、当時の実行委員のひとりで、オープンリー・ゲイのミュージシャンでもあった、故・春日亮二さんが中心となって、ゲイやレズビアンのインディー・ミュージシャンたちによるライブ・イベントが、パレードの公式関連イベントとして、あるいは応援イベントとして、いくつも開催されました。

当時の二大ゲイ雑誌『バディ』と『G-men』も、それらのライブのレポート記事や、出演者たちのインタビュー、彼らのオリジナル楽曲などを、誌面やビデオ(DVD)マガジンで紹介して、積極的にプロモーションをおこないました。

やがて、それまではゲイのコミュニティを音楽活動の場とはしていなかった、他のゲイのミュージシャンたちも、つぎつぎとゲイ・コミュニティのライブ・イベントに出演するようになり、さらには東京だけでなく札幌や名古屋、大阪、福岡などでも、ゲイやレズビアンのミュージシャンたちによるライブ・イベントが盛んに開催されるようになりました。

こうした一連のムーブメントの総称が、ゲイ・インディーズです。

ちなみに、「ゲイ・インディーズ」という呼称は、あくまでも通称です。正式な呼称は、実は定まっていません。このムーブメントを、当時のゲイ雑誌『バディ』は「G-Pop」、『G-men』は「G-Music」といった造語で伝えていましたが、定着はしませんでした。

レズビアンやバイセクシュアル、トランスジェンダーを排除しているような印象も与える呼称ではありますが、しかし数は少ないながらも、レズビアンやバイセクシュアル、トランスジェンダーのミュージシャンも、すでに初期の段階から、このムーブメントには関わっていました。


「なかったこと」にされたくない

ゲイやレズビアンであることに立脚して音楽活動をおこなうミュージシャンたちの姿に、私は大いに憧憬と敬意をいだき、その音楽に魅了されました。そこで私は、自分のゲイ小説サイトの日記やコラムで、ゲイ・インディーズの音楽と、そのミュージシャンたちのことを、熱心に書くようになりました。

そこから興味はさらに広がり、ゲイ・インディーズの話題だけでなく、主流のポピュラー音楽の世界で LGBT であることをカミング・アウトしている国内外の著名ミュージシャンや、あるいは日本ではまったく無名の、海外の LGBT のインディー・ミュージシャンたちについても、いろいろとリサーチをして、テキストを書くようになりました。

初めのうちは、自分のお気に入りの音楽を人に薦める感覚で、それらを書いていました。しかし、年月を経るにしたがって、私のモチベーションは「記録を遺したい、遺さなくてはいけない」という意識に変化していきました。

性に関する話題がタブーとされていたり、反道徳的なものとみなされている社会では、性にまつわる文化もまた、同様の扱いをされます。ということは、誰かが意識的に記録を収集し、遺していく努力をしないと、それらの文化は後世に伝わりにくいのです。

それに加えて、現在の日本の法律では、同性愛者の存在が、そもそも想定されていません。そのような社会では、LGBT のミュージシャンたちについても、その記録を遺す努力をしなければ、彼らが LGBT であった事実が「なかったこと」になってしまったり、あるいはその存在すらも「なかったこと」になってしまう――それを危惧するようになったのです。

LGBT のミュージシャンたちと、その音楽は、ホモフォビアを内面にかかえるクロゼットのゲイだった私を、大きく変えてくれました。ゲイであることに居心地の悪さを感じていた私は、LGBT のミュージシャンたちとその音楽に出会ったことによって、自己を肯定できるようになったのです。その事実を、私は「なかったこと」にされたくはないのです。その思いは、今でも変わりありません。

そこで私は、2005(平成17)年1月7日に、新しくサイトを開設して、それまではゲイ小説サイトのサブ・コンテンツとして書いてきた、LGBT のミュージシャンたちについてのテキストを、メイン・コンテンツの扱いで、そこにまとめて転載しました。

それが、この Queer Music Experience.です。

開設以降も、新たに国内外のさまざまなセクシュアル・マイノリティのミュージシャンたちの話題と情報を書き加えつづけて、今日に至っています。


ミュージシャンたちの姿から見えるもの

どんな国や地域にも、かならずセクシュアル・マイノリティのミュージシャンは存在しています。たとえ同性愛が刑罰の対象となっているような国や地域であっても、カミング・アウトはしていないというだけで、そうしたミュージシャンの存在自体は、かならずあるのです。

それでは、はたしてどの国や地域に、オープンリーのセクシュアル・マイノリティのミュージシャンは多く姿を現しているのでしょうか。

それらの地域の、ポピュラー音楽の世界では、オープンリーのセクシュアル・マイノリティのミュージシャンたちは、はたして主流の存在なのでしょうか。それとも、周縁の存在であったり、一過性のものであったりするのでしょうか。

そして、それらのミュージシャンは、その地域の人々から、どのように受容されているのでしょうか。

あるいは、いったいどの音楽ジャンルに、オープンリーのセクシュアル・マイノリティのミュージシャンは多く姿を現しているのでしょうか。それらのジャンルは、それぞれの国や地域の文化と、いったいどのように結びついているのでしょうか。そしてその結びつきは、いったいどのような性質で、どの程度のものなのでしょうか。

――そうしたことを意識しながら、セクシュアル・マイノリティのミュージシャンたちの音楽を聴いていると、そこから浮かび上がってくるものがあります。

それは、セクシュアル・マイノリティをとり巻く、その地域ごとの、その時代ごとの、社会の姿です。

この Queer Music Experience.は、社会学を自称できるほど学術的な内容ではありません。私は本職の研究者ではないので、学問上の見地からは、このサイトの内容には不備も偏りもあると思います。しかし、セクシュアル・マイノリティがどのような社会に生きているのか、いかねばならないのかを考える、材料のひとつにはなるかもしれない。そうあってくれたらいいと、私は願っています。


コンサートの観客

CONTENTS


What's Queer Music?

>> Here

セクシュアル・マイノリティのミュージシャンたちによって歌われたり演奏されたりしている音楽を、私はクィア・ミュージックと総称しています。

「そのようなジャンル区分は必要なのか?」「ミュージシャンの属性で音楽を区分することに意義はあるのか?」といった類の批判の声は、セクシュアル・マイノリティの当事者の側からも、よく聞かれます。

私は、クィア・ミュージックというジャンルはある、と考えています。それについて具体的に述べているのが、このテキストです。私がクィア・ミュージックに深く傾倒するようになった個人的背景も、ここに記してあります。かならずお読みになってください。


Queer Musicians

- Japanese Musicians -  >> Here
- Overseas Musicians -  >> Here

このサイトのメイン・コンテンツです古今東西のクィア・ミュージシャンのバイオグラフィーを掲載しています(随時更新)。

もちろん、世界中のありとあらゆるクィア・ミュージシャンを一人も余さず網羅できているわけではありません。更新や新規コンテンツの作成作業がなかなか追いついていないのが実状ですが、できるだけ多くのクィア・ミュージシャンを紹介していきたいと思っています。


Queer Music Review

-Disc Review-  >> Here
-Live Review-  >> Here

ゲイ・インディーズについて書いたものが中心ですが、クィア・ミュージックの CD やライブについて、これまでに書いてきたテキストを、ここに収蔵しています。

2000年代の前半のころは、ゲイ・インディーズのライブ・イベントをはじめ、海外の著名アーティストの来日公演など、さまざまなライブに足を運んでいました。2014年以降は、個人的な諸事情(おもに健康面)により、観に行きたくともなかなか行けない状況となり、それが現在まで続いているのですが、観に行くことが叶った場合には、また新しく観覧記を書くつもりでいます。


Column

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私がこれまでに書きためてきたクィア・ミュージック関連のテキストのうち、特定のミュージシャンや作品について論じたのではないもの(概論や、リスト記事の類など)を、ここに収蔵しています。


Link

-Japanese-  >> Here
-Overseas-  >> Here

国内外のクィア・ミュージック関連サイトのリンク集です。

当サイトの開設時に紹介していたサイトの多くは、現在ではサーバーから姿を消してしまっていますが、「記録を遺す」という当サイトの趣旨から、それらの紹介記事は削除せず、そのまま遺してあります。



ゲイストリート
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